ここ
後期

ここ



閉まっているとばかりおもっていた
ドアが 一つの動作を加えただけで 呆気なく
開いた どこをどうやったんだい
ここをこうやるんだよ
ああ そうだったのか
と 納得したふりをして 二人して和気あいあい
入る事もできたが
一人でドアに向き合わなければならない時も
きっと来るだろうから ここをこうやる
の ここ とは どこなのかを 問うた
「ここだよ ここ 」言葉だけでは 分からないので
ここ の ここ に 指をさしてもらった
そこには たくさんの ここ があって
難なく開けてしまう人には ここ は ここ
なのだろうが 難なく開けられない人に
とっては ここ は ここの集合体であった
よく見ろよ これらは連動しているのさ
君がいうように たしかに ここ には
たくさんのここがある
でも 重要なのは ここの中のここさ
ここさえ押さえてしまえば 他のここは
連動する仕掛けになっているんだ
その重要なここを 指さしてもらった
指先がデカイのか そこにある総てのここを
さしてしまっている…そうか…ここ…
なんだね…やっと分かったよ… ( 分からないまま)
笑顔をつくると 難しく考える事はない
ここをこうするのが きみ コツなんだからさッ
と 笑顔を返してくれるのだった


自由詩 ここ Copyright 後期 2019-02-19 15:26:47
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