ひかり 冬の手
木立 悟






乾くことのない水滴に
静かに静かに築かれる墳墓
月の動きを
見つめている


後ろに手を組んだ花
折れた櫛の先
人々は憤り
道に夜が来る


霧の雪
鳥居の上
うたひとつ
散り咲かせて


菓子の匂いの靴で
冬の土を踏む
いつまでも
径に成り得ない土


息に揺らぐ月
弦の断片
鈴が砂になってゆく音
かなしく やさしい音


光を二度視て
目を閉じるとき
かたちは羽ばたき
さようならを言う


おまえおまえああおまえ
どこへなりとゆくがいい
つながることのないたましいの
どこまでもつづく火の行方まで



























自由詩 ひかり 冬の手 Copyright 木立 悟 2019-02-17 20:56:06
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