瀬戸の蝶々
秋葉竹


蛇がいる
君の微笑む裏切りを
しんじず毒牙で首すじを吸う


キラキラと
瀬戸内海の橋である
入り日を吸い込み赤い息はく

音も無く
飛んで火に入る蜂の羽
そして泣いてるみたいな心が



銀色の
電車の過ぎ去る遠い街
志望動機はいまは忘れた。



蕩けてる
血の味のする早朝に
君の慟哭だけで血となる


どの道を
歩いたのかは知らないが
その悲しみを伝えよたそがれ

蛇はいる
いつか勝手に消えてしまった
言い訳信じて平和なみちゆく



みちゆく、平和な
瀬戸に散る波。


その青の
波しぶきを浴び、痛む目を
知らずただ翔ぶ、瀬戸の蝶々



短歌 瀬戸の蝶々 Copyright 秋葉竹 2019-02-05 23:57:59
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