真っ白な紙
ひだかたけし

机の上の
真っ白な
紙に向かい
詩を書こうと
意識を集中していると
部屋の左側から
異様な冷気
立ち上がり
彼方の界が
現を圧して
滲み出す


部屋の外では
稲妻物凄く荒れ狂い
ピカッと光り轟くたび
俺は吐いて吐きまくる

内は一面の漆黒に
艶めき輝き
渦を巻き
荒れ狂う外は
次第に部屋を壊していく

今や
壁は漆喰剥き出しに
壁板割れて突き刺さる
境の無くなった内に外に
容赦なく突き刺さる!

俺にはもう逃げ場がない
この現に己を囲い混む
防壁はすべて壊れてしまった!
外部が彼方の界が
此方の現に重なって
渾然一体、渦を巻く渦を巻く
俺はうつ伏し吐き続ける


真っ白な
紙は変わらず机の上
いよいよその純白を際立たせ
静かに静かに留まっている















自由詩 真っ白な紙 Copyright ひだかたけし 2018-12-19 17:56:30
notebook Home 戻る  過去 未来