雨女のイデオロギー
木村きむ

掴みそこねた現実は
水蒸気になって舞い上がった
空から落ちてくる雨粒を睨む
ホームセンターに行かなくちゃ

ぽつり

「存在 意 義なん て要りま せ ん」

毎晩夢に見る箱詰めの私
粉々の骨を箸で拾うとき
粉々の思いがみんなに届きますように
それで涙の一滴も流して貰えれば御の字よ

モノクロームのパレードを眺める気持ちは
さぞや清々しいでしょう

きっとその日も雨だろうから
皆様お足元にはお気をつけて


自由詩 雨女のイデオロギー Copyright 木村きむ 2018-12-13 11:07:01
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