選ばれなかった人へ
花形新次

選ばれなかった者の
焦燥と未練が
クソ自称詩を生む
───自称詩人 江面はうんど

生まれた瞬間から今まで
誰からも何からも
選ばれたことのない人間が
生きているうちに
一回だけでも良いから
イイねって言われたい
だけど自分には
何の才能も知恵もない
もちろん美貌もない
途方に暮れていたときに
はたと気付いた
日本語を話せるってこと

「そうよ、日本語があるわ
私には日本語があるのよ!」

本当は、てにをはも儘ならない
日本語も不自由な人なのに
それを逆手にとって
意味不明こそが
現代自称詩なのだと開き直り
我が物顔でクソ自称詩を
撒き散らし始める

選ばれなかった人へ

いい加減に
そんなことは止めて
真面目に働きなさい
一所懸命勉強しなさい






自由詩 選ばれなかった人へ Copyright 花形新次 2018-10-13 17:10:41
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