我が輩は畏怖である。
TAT

その日、節子が静江の家を訪ねたのは件の男の後日談を他所から仕入れたからだつた。まうこんなことはよしませうぐんさう殿と叫びながら小箱に詰められた野良黒のひぎゆあが投げ売りで売られていて、あらこれをおみひやげに買つてゆこうかしらんと節子は一瞬シンキングしたが、値がしたので止めた。
さうかうしながら都営地下鉄線の冥府七丁目駅から準急に乗つて那覇北駅で降りた。地下鉄を使ったのは無論、懐が寂しかつたからである。その後、那覇空港から香港、北京、新京、ナポリ、エジプトを経由し、機が盛岡に降り立つたのは、六日後の事である。一方その頃、盛岡駅東口のラツキヰジヨナサン盛岡駅前店でサラ番を打っていた静江の情夫、ジョニセフ・ジョースター・アンド・ルーシー・ダイアモンド&ファミリー・ストーン(45)は、こう呟いた。
『出ねーなー』
と。
後、っをつで書くのはもう無しで。推敲が面倒なので。
節子である。
問題は節子である。
節子は静江の家に向かっている。
節子は静江を目指している。

そうして、そして、節子は静江の家に着いた。今。裸足で。まじで。真剣に。


節子は言った。

『てめぇふざけんじゃねぇぞこのヤロウ。時空警察から俺んとこまで問い合わせが来たぞ。大正六年までタイムスリップして余生をまっとうに過ごせば減罪になるってんのに19万ギガUSB特許で東京特許許可局に出すとか何考えてんだ馬鹿。コンピュータまだ無いのに阿呆か。あちきらがタイムスリッパ-なんバレたらどうすんだお前。巻き添え食らわしてんじゃねぇぞ、このEU野郎が!』




それを聞き静江は
『Et tu, Brute?』と言った。
だが既に節子の短剣はずっぽしと静江の深奥に楔を打ち込んでいた。





溢れ出る真紅の血を恍惚の表情で見詰めながら節子は鶴光の声真似で『ええか?ここがええのんか?』と以下略。







台詞を無視して
映像的に第三者的に見れば
芸妓が舞妓を刺した
それだけの事である

恋愛劇である
刃傷沙汰である
歌舞伎である
助六寿司である





そんな訳であなたもこの先
助六寿司を食べる時は
あぁこれは恋人の名前を思って作った寿司なのだなあと
旱害に耽りながら
お稲荷さんを食べてほしい
それが
助六の金玉だと思いながら
助六の金玉
結構煮しめてんのなーと思いながら
ペットのお茶で
火曜の午後に


























あとごめん
旱害じゃなくて感慨で
旱害だとマンモスになつちやうから
















自由詩 我が輩は畏怖である。 Copyright TAT 2018-10-09 20:02:44
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