外側の心臓
ミナト 螢
綺麗なものが見たくなった時
忘れたはずのスキップで進む
心は純白の雲を追いかけ
フェイクファーの鼓動を感じていた
指先でちぎる心臓の形
外側に付けて歩いてみると
どんな攻撃でさえも防ぐから
傷跡を隠すパズルのようだ
内側の心臓を食べ尽くす頃
外側の心臓は巨大化する
盾みたいに守るだけのハートが
重たくなって持ちこたえられない
何十年分もの生き様を刻んだ
本物の心臓を返してくれ
寂しさで濡れた涙の跡が
雲を溶かすほど思い出を流し
瞼の奥に作った部屋の中
第三の心臓はここにある