外側の心臓
ミナト 螢

綺麗なものが見たくなった時
忘れたはずのスキップで進む
心は純白の雲を追いかけ
フェイクファーの鼓動を感じていた

指先でちぎる心臓の形
外側に付けて歩いてみると

どんな攻撃でさえも防ぐから
傷跡を隠すパズルのようだ

内側の心臓を食べ尽くす頃
外側の心臓は巨大化する

盾みたいに守るだけのハートが
重たくなって持ちこたえられない

何十年分もの生き様を刻んだ
本物の心臓を返してくれ

寂しさで濡れた涙の跡が
雲を溶かすほど思い出を流し
瞼の奥に作った部屋の中
第三の心臓はここにある


自由詩 外側の心臓 Copyright ミナト 螢 2018-10-05 10:44:49
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