金木犀
ミナト 螢

キリッとした
秋の空気に溶ける
甘い香りが
鼻を抜けていく

黄色信号のように
足を止めても

子供の頃から
知っている名前
惑星のような
不思議な響きが

美しいものを
連想させた

あの時は見えなかった花びらが
今になって指先を転がり
いつの間にか消える儚い宴


自由詩 金木犀 Copyright ミナト 螢 2018-10-03 17:21:40
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