けはい
はるな


脱ぎ捨てられた革靴にすんでるゆめみたいな気配
のどの奥がかゆくてくるしくて
頭にあなをあけて考えてることがみんなだらだらあっと流れていったら楽だなとか
2番線ホームのまん中くらいからみえる公園の遊具はいつもまあたらしく塗られて
それってだれにも触られてないみたいでちょっとおそろしい。
排卵痛、だれにも教えないわる口みたいで
伸びた髪がばさばさにかたくなってくのも、
1日に1日ずつ歳をとるのも、
賞味期限切れの牛乳、
ときにはカーテンも洗わないといけないな。
京浜東北線は鈍くて、
品川駅は寂しすぎ、
荒川がなみなみとしてて、
世界は熱くなりすぎた。
これもぜんぶ続いていく気配、
わたしの前後にわたしの影
とびおりるマントヒヒ、警笛
円は伸び縮みするから
価値などないわたしたちに
かぎりなく平等にふりそそぐのは
ふりそそぐのは
ただひとつ
ゆめみたいな気配であったよ。



自由詩 けはい Copyright はるな 2018-09-08 08:19:50
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