冬空の通信
朝倉キンジ

涙する者は
死んだあと

青いかなしみとなって
宇宙遠方の

つめたいの霧のなかを
何かを考えてるふうに 歩き続けます


ひとが何光年もの希薄のなかを
さまようはずは ないですか

けれども 
ここ仙台市街のはずれでは

電柱が一日中
生き物のように
すんとつらなって立ちながら

不思議な調べをかなでているのですが
 (いっせいに鳴る空気のオルガンという感じ)

それは明らかな 意思をもっていて
空を馳せていきます

そういう時に

私はたしかに暗い勢力から
その経歴として 知らされたのです

 

    


自由詩 冬空の通信 Copyright 朝倉キンジ 2005-03-24 11:01:46
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