氷見の海
Giovanni

とがり平らぐ 氷見の海

日差しの強い昼下がり
むしむしとした汗をかき
野鳥のようにふらふらと
人影まばらな町を歩いた

不格好な縦長の寺の玄関
静かに流れる湊川
烏の佇む赤い鳥居
路傍に潜む小さな祠
くるくる巡っては
拡散し 
渦を巻いては
収斂し
そしてそして・・・・・・

いつしか 再び
とがり平らぐ 氷見の海

夏の日の下化石した
灰色の髄液の町
ただただ 
一人紺碧氷見の海
ばかりは
寄せては返し 
切り返しては打ち付け
泡沫を浮かべ消して

繰り返している




自由詩 氷見の海 Copyright Giovanni 2018-08-30 19:56:14
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