完走
ミナト 螢

自分だけが
未来を選ぶような
青春のポジションを
守りたくて

買い戻した切符で
どこへ行くのか

人のいない海は
なかった
音のしない花火は
なかった

ざわめきの中を
誰かと一緒に
流れてみると

弾かれて泡になる
炭酸が
最後の星と
消えていくまでに

全ては夏に向かって
走っていた


自由詩 完走 Copyright ミナト 螢 2018-08-25 16:43:52
notebook Home 戻る