devil
春日線香

死にかけている気がして電車から降りる。何が、といっても明言はできないけれど、自分か他人か、その両方か。膝の裏に氷をつけられたような心地で駅の階段を上って改札を出ると、廃ビルの上に青褪めた月が貼りつき、悪魔が唇の端で吹くような音楽が流れる喫茶店では、尖った口髭の店主が青いケーキに無数のフォークを刺している。


自由詩 devil Copyright 春日線香 2018-07-07 10:24:20
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