食への不安が
こたきひろし

生活が逼迫している
好きな物を食べられなくなった

体は劣化の一途をたどり医療費は欠かせない
高血圧の持病があって血圧降下剤を常用している

行きつけのクリニックで勧められて血液を検査して貰った
結果は前回より血糖値がさがり肝臓の数字が良くなっていた
血圧は当然低い

野菜中心の生活を望んでいるわけではないが
経済的な逼迫がそれを強いてくる
人の健康をつかさどっているのは食生活
美食からはかけ離れた生活が結果的に健康を改善してくれた
皮肉と言えば皮肉だった

いまだに何の為に生きているのかが判然としない
もしかしたら飽くなき生への執着心に縛られているに過ぎないのかもしれない

私の対内の血液には詩歌の成分が入り交じっている筈なのに
渡された結果には何も出ていなかった
詩歌は私の経済に何も寄与しないと
よくよく解っている
だけど創作が脳に活性を促し、老化を防ぐ効果はあるらしい
医者にそれを確かめたりしなかったが
その代わりに教えてくれた
揚げ物や甘い物は控えた方がいいです

だけど
日々の生活はお金の心配と引き換えに
鳥の唐揚げも好きな菓子パンも
食べられない生活ですからと
医者に伝える訳にもいかなかった



自由詩 食への不安が Copyright こたきひろし 2018-06-28 06:58:47
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