永遠のこども
ただのみきや

逃げ出したこどもを探している
裸のまま笑いころげ
つるりと石鹸みたいに


雨だからなに
宿題は帰ってから
しかめっ面の福笑い
わからないつまらない 
いいことなんていつも
子猫に赤いウインナー
暮れるより早く早く
影たちが踊っている
金色の草原へ


わたしの魂の欠片
螢の群れを纏い
一秒の中で十年
百年たってもこどものまま
飽きずに遊んでいる
帰っておいで
門限はもういいよ
落書きしたって構わない
本の積木に 地球儀けって


逃げ出したこどもを探している
ふざけ遊んでドタバタと
大人の思考を振り切って


なにせ理屈っぽくなってしょうがない
近頃じゃ立派なことばかり言いたがる
自分に欠伸が出始めた


わたしの蕾を膨らます
永遠のこども
瓦礫から喜びを汲み上げるものよ
無邪気さは知識に勝り
役立たずでこそ役に立つ
理も利も知らずにいつまでも
いたずらを巡らせて




             《永遠のこども:2018年6月20日》








自由詩 永遠のこども Copyright ただのみきや 2018-06-20 19:37:06
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