赤羽
赤猫永宜

友人に案内してもらい平日朝から飲み歩く。
彼は長年勤めていた会社を辞め、新しい会社が決まったばかりで暇を持て余しており、私は平日不定休なので。
と、聞かれてもいない言い訳を心で呟く。

小便やおう吐物の匂いが沁み込んだアーケードをくぐり一軒目。
早朝からおでんとカップ酒。お店の人に勧められるままに練り物を注文する。
道路にはみ出さないように注意されながら肩を寄せ合って簡易的なテーブルにおでんのタネとお酒が並ぶ。隣の人の注文を見て「それ美味しそうですね」なんていいながら真似して頼んでみたり。

 「カップ酒は少し残しといてくださいね」

言われるままにカップ酒を少し残しておくと、プラス50円でそれにおでんの出汁と七味唐辛子を入れてくれた。飲んでみる。なるほど、とんでもなく美味い。毎晩飲みたい。


 今回この街を案内してくれた彼とは共通の趣味で知り合った仲なのだが、かれこれ10年くらいの腐れ縁だ。お互いに忘れてしまっていたような話を持ち出しては大笑いしながら、素朴だがしっかり味の沁みたおでんをつついた。飽きない味だ。

それから2.3軒ほしごをして彼と別れた。彼は家が近くということもあり、一件目のおでん屋さんのタネを買って持ち帰っていった。

私は、この街が名残惜しくなり、ぶらぶら歩きながらだんご屋さんでだんごを食べた。
それでもまだ昼下がりをちょっと過ぎたくらいの時間。

さて、サウナでも行って寝るか
マッサージにも行きたい、でも酔っぱらってるから無理かな?


最高の平日休みだ。



自由詩 赤羽 Copyright 赤猫永宜 2018-06-19 11:15:39
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