良い人の悪臭
こたきひろし

この世に雨が降る夜に
おんなは体の一部始終を露にした。
男の体の一部始終に刺激されて
おんなは女の声でよがった

無印だけど良い人になれなかった。
と言うより、良い人の基準値ってどのくらいよ?
基準値より上なら良い人で、下なら悪い人なのかな?
正解はあるの?
この人生に。

おんなは女の
おとこは男の
無印だって欲望がわく。

果たして
人間の品質管理はどうなってるの?
無印だからって怠れないわ。

罪深い女の未来は
罪深い男の未来は
あっごめん、男女の犯す罪って重さどの位?
それを計るなんて出来るの?

結婚外の恋愛を妄想するおんなは普通にいるよね。
妄想だから誰も傷つかないし
自分自身も傷つかないし。

もしかしたらもしかしなくても、人の奥さんである彼女は良い人かもしれないけれど
きっと、根底に鼻をつく悪臭をもっているに決まっているから
彼女ははそれを隠すために他人にさとられないために。
美しく着飾り綺麗に化粧しているに違いないと

男である私は勝手な想像をする
でも
それを口に出したら反感を招き軽蔑されるに違いないから
私は極度にそれを怖れたから
あくまで
紳士顔を装いながら
自分の中にある悪臭を蓋で押さえながら
毎朝、職場で彼女と顔を会わせる度に、良い人を装いながら
「おはよう」と言って
通り過ぎています。



自由詩 良い人の悪臭 Copyright こたきひろし 2018-06-19 07:11:08
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