ウイスキーを飲みながら
ただのみきや
四月に降る湿った雪を眺める憂鬱は
終わらない梅雨を眺める憂鬱に似ているのかもしれない
月日は愚直に戻らないが
季節はマンボのステップで
なんて陽気な気分ならいいけれど
四月に降る湿った雪を眺める憂鬱は
芽吹きかけた希望をどこか懲り懲りさせるような
まだ無垢なこどもにまで
世のなか甘くはないぞって教えたがる大人みたいに
天とか自然とかそんな大きな連中までが
片っ方の口もとだけニヤけて見下ろしているような
まったく余計なお世話だよ って
ひとり窓辺で管を巻く日曜日
《ウイスキーを飲みながら:2018年4月8日》