さかなは　心を　どこで切っても　さかな
わたしは　心を　どこで切っても　わたし
ではない気がする


でも
あさっての海や　あなたの海から見ると
それは　くやしいくらいに　全部わたしで
貝柱の影で　こっそり笑ってしまう
そんなとき
鮫の歯に写った私の顔は
ちょっと可愛らしくて
どこか　はじめてのわたしで
思わず
そばにあった
わかめのスカーフを
首に結んでしまいました


しばらくして
散歩中に
落ち葉レシートが落ちてきました
あぁ
あのスカーフは
思った以上に高い買い物でした
知らぬまに釣られてました
やはり　わたしなのでした