タテの欲望
不老産兄弟
彼女はギターを持って立ち上がり
老婆のような輝きで歌い始める
照明を受けた喉元に浮き上がった大きな
二本の筋は遮光カーテンのように波打ち
目じりに通じる無数のしわから生まれた笑顔が
若さという一切の概念を空間の隅に追いやる
僕はとうとうその姿に触れるのをあきらめ
一人の女性の下半身の不均衡を今
自らの体で再現しようとしている
自由詩
タテの欲望
Copyright
不老産兄弟
2005-03-19 13:39:17
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