平行線
アザラシ


その言葉を発した瞬間

空はぐるんとひっくり返り
猫もぐるんと伸び丸まって
僕の世界は手のひら返し
みごとなまでに暗転した

まるで訳が分からない
口を滑らせてしまったという焦燥もなく
やらかしてしまったという後悔まで追い付かず
でも僕は
何かNGを出したらしい
ちょっととり返しのつかないやつ

さっきまで笑ってた君
面影は何処

君の目に僕は映らず
君は僕の世界から消えたがっている

首筋が少しひんやりして

さあ、
時間は解決してくれるだろうか
僕に味方してくれるだろうか

空気を読んだ湿度は言う
「きびしそうだよ」
あっさりと


僕はどうやら
僕が中心でない世界に
一度戻らなければならないようだ


自由詩 平行線 Copyright アザラシ 2018-03-24 15:51:07
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