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日々野いずる

周りは見ているものなのだから
生活はきちんとしてねと
忠告ありがとう知ってる

良い思い出があたしをぎりぎり締め付けて
真人間の型を取ろうとして
逃げ出したくなった、けど

水に満たされたあたしの居場所に
相応しいように
あたし
今度は貝になるって
何度誓ったって
本当になるはずがない

だから、
目を閉じた

あたしよりずっと
朝は輝いて見えて
あたしよりずっと
夜は藍深く沈んでいて

磨かれた泥団子は
ピカピカでも
泥団子でしかない、から
干からびていくの
見守る

その黒いタイツを破り捨てて
裸足
裸足が相応しいから
うつくしい素足はリボンを纏って
タップダンスで舞台を叩く

モールス信号が誰にも届けられないように
あたしの糸電話の先に誰もいないように

おー、えす、おー、えす、おー


自由詩 OSをアップデートしてください Copyright 日々野いずる 2018-03-19 21:33:18
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