噛み癖
ムウ

あ、という声とともに
我がもの顔でもなく 他人行儀でもなく
整然とボクの外を滴る血液

ボクはその血液をまた自分の中に
取り込むように飲む
噛み癖の治らならない 傷だらけの手を

錆びた鉄のような味がする
当たり前のことすぎて
友人は呆れたように鼻で笑った

今日はいつもより
濃いような気がしたんだ
言葉を血液と一緒流し込む


気づけばまた

ボクは指を噛んでいた


自由詩 噛み癖 Copyright ムウ 2018-03-17 17:20:15
notebook Home 戻る  過去 未来