エンドレスドリーム ZERO
長崎螢太

無だけだった
光も音もなにもない世界
始まりはだれも知らない
気の遠くなるような時間だけが流れる

*

今日は平日だが、代休で感覚的には日曜の気分だ
余り良い気分とはいえない
明日から仕事が待っている
今の仕事に就いて一年過ぎたが、いまだに馴れたとはいえない
いや、最初から自分に合ってなかったのだが、生活のためだから仕方ないと思っている
だが精神的に疲れるし、この一年でかなり痩せたみたいだ

愚痴を言ってもしかたないから、明日のために早めに就寝することにした
だが眠れない
隣の君は疲れたと言って早々に寝息をたてている
相変わらずで羨ましい限りだ

*

いつもの顔ぶれや懐かしい人がごっちゃに現れては消える
懐かしい風景も見える
そして、幾つもの輪郭が重なった人が現れる
知らない人だか知っている
それは隣で眠りについている君に、何となく似ている

*

少しうとうとして目覚めた
まだ2時間ぐらいしかたっていない
このところ眠りが浅いのは、仕事のストレスのせいか
鉄を噛むような気分だ
いつになったらぐっすり眠れるようになるのだろうか

私は多分逃げたいのだ、いつもの夢の中に
そこは安らぎとひかりに満ちている

*

それはいつから始まったのだろうか
子供頃から見覚えのある夢
始まりは遠く、果てもなく、ひかりに満ちた場所
私はそこに逃げ込みたいのだ
永遠に
できることなら、隣の君と

*

始まりはなにもなかった
いつからか爆発的に膨張し、明滅を繰り返しながら拡がる
この世界にも終わりの時が来るのだろうか
悠々の時の果てに



自由詩 エンドレスドリーム ZERO Copyright 長崎螢太 2018-03-05 23:51:08
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