薄くなってゆくね
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いつからか
芸術は俺に夢を見せ
俺の思想を操り
こり固めてしまった
芸術は素晴らしい 芸術は素晴らしい
って
誰も芸術なんて糞だって教えてくれなかった

芸術だけじゃない
なにか素晴らしいものや素晴らしい出来事だけが唯一この世界で素晴らしいんだ
ってずっと思ってたけど
そんなもの忘れちゃうじゃんか
いつまでも素晴らしいものなんてないじゃないか
君のことがずっと好きでいられると思ってたのに
彼のことをずっと応援していく自信があったのに
そういうことって絶対に無理じゃんか
絶対に無理だよ 絶対に
俺ほんとにできると思ってたのに
素晴らしいものもいつかは糞になっちゃうじゃんか
聞いてねーよ 俺まじ聞いてねーよ
言ってねーよ 誰もそんなこと言ってねーよ

新しい感動を得る度に
薄くなってゆく
嬉しさも 悲しみも
どんどんなくなってゆく
代わりになにかが入るってわけでもなく
なにも無くなってゆく
薄く 薄く どんどん薄く  確実になくなっていってる

もう終わりにしたい


青春が終わったあとの準備なんてできてねーよ


未詩・独白 薄くなってゆくね Copyright span 2005-03-17 23:30:25
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