とある一日
木村きむ

貴方が笑うから私は怒ってみせる
茹でたパスタで曇った眼鏡の向こう

チーズが嫌いな貴方のせいで
カルボナーラが食べられない
できたてのナポリタンをほおばって
赤い口ひげを二人でつけた

私が怒ると貴方はしゅんとする
洗濯物を干していたら靴下が裏返っていた

何度言っても黒いお団子
文句を言いつつ私が直す
洗濯ばさみにぶらさがった靴下が
青空に揺れて風を誘う

五十年後もこんな日を過ごすのでしょうね
貴方が笑って私も笑った


自由詩 とある一日 Copyright 木村きむ 2018-01-18 03:36:54
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