鼻血みたいに
吉岡ペペロ

波打ち際の死体を思い出す

欲望のよの字もないような男にやられる

セミが鳴いている

都庁が見える

夏の曇り空を電線が切り裂いている

八百屋で兄と働いている

暑すぎて人影がなくなっている


ジーパンのなかで濡れている

鼻血みたいにはやく冷めない

あたたかなちいさな生き物が

体温ぐらいの懐かしさなんだ


波打ち際の死体を思い出す

欲望のよの字もないような男にやられる

セミが鳴いている

都庁が見える

夏の曇り空を電線が切り裂いている

八百屋で兄と働いている

暑すぎて人影がなくなっている








自由詩 鼻血みたいに Copyright 吉岡ペペロ 2018-01-03 18:30:55
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