緊張と弛緩〇至福の静けさ
ひだかたけし
消灯となり暗闇が部屋に訪れ
僕は何だかやっとほっとする
静けさと魂が交流し始め
一日の緊張を解き放ち
別の世界の扉が
おもむろに
開いていく
意識の奥まり記憶のすぅっと薄れ
異界の感触が熱そのものとして
身体中を巡り始める
それは
陰陽より遥か以前の熱
靄の立ち込めた太陽だ
体験は眠りに落ちるまで持続し
巨大な光球の接近と共に闇に落ちる
あと一、二時間、
僕は至福の静けさに包まれ
異界の感触を生きるだろう
消灯となり暗闇が部屋に訪れ
僕は今日もやっとほっとしている