この世界は
ひだかたけし
「この世界は美しく
青い空が落ちて来る
どんな境遇に置かれようと
そのことに変わりはない」
そうあなたは言う
「この世界は遠景で
青い空が狂いかけている
底の底に行き着いて
そのことから逃れられない」
そうわたしは言う
にくたい
たましい
せいしん
にんげん
きっといつかあからさまに
あなたの言うことが正しいと
人々は悟り認識し体験し尽くし
そのとき地球は滅びるのだろう
わたしというそんざいは
そのとき以前に役立つ存在に
成り生き始めているのだろうか
[もう余り時間がない]
二人はそのことだけ
合意する
もちろん
レベルの違い過ぎる立場から
(彼は使命から、私は苦痛から)
あなたは毅然と空を見上げ
わたしはぼんやりうずくまり
同じ世界に佇んでいる
在るもの
開示する本質の
捉える意識の広がり
それぞれ孤独に抱えながら
静かな時流は宇宙を巡り続け