大木
星丘涙

杉の木が詠う
縄文から 現代まで

墓は朽ちて 弔われず
時代を積み重ね
いま何処に

何を見たのか
戦乱の世か 泰平の世か

馬は走り
弓は放たれ
人は倒された

悲しいか 

雨に打たれ
風に吹かれ
日照りに耐え

何を見たのか

年輪を重ね
枝を増やし
節を作り
立っている

立ち続ける

この国は何処まで行くのか
見届けて欲しい

杉の木よ








自由詩 大木 Copyright 星丘涙 2017-08-07 13:56:17
notebook Home 戻る