森の詩
ミナト 螢

三つ編みの中に隠したボタンは
あなたの制服の二番目だった

ネズミにかじられたりしないように
私は一等席を用意した

黒いおさげが光の加減で
緑になるのを気に入っている

重たい髪が少し軽くなって
ツタの絡まる森みたいに見えた

あなたはいつもはにかんでいたから
名前で呼んでくれなかった事や
写真で笑ってくれなかった事を
責めるよりも逃してあげたい

天秤の重りが足りずに泣いて
私だけ宙に浮いて行くのを
あなたはきっと待っていたのだと

いつか心の迷いが解けたら
髪の毛をバッサリと切るだろう
トトロのお家も崩れてしまうね


自由詩 森の詩 Copyright ミナト 螢 2017-08-02 08:47:36
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