僕達の友情
オイタル

僕たちの友情はいつまでも
変わらない 乾き物なので
宅配に託しました
三百キロ離れた 友人の住むところへ

僕たちの友情は
花に胸をちぎられて歩きました
高い雲の下を
電線がゆるく垂れているあたり

僕たちはその友情において かつて
満開の桜の下で洟をかみ
満開の憂いの前で爪を噛む
そんな人たちでした

今宵 僕たちの友情は
高速のゆるいカーブをひた走り
横風にあおられながら青い切通を抜けて
もう海までいったことでしょうか

ジャングルジムの端に翻る
ともかくも
繋ぎ止められた僕達の友情
それを僕は いつまでも嘆いているのです
憂いて


自由詩 僕達の友情 Copyright オイタル 2017-07-29 19:59:55
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