花火
ガト

蚊取り線香の匂いが好きだと
誰かが言った

すごく落ち着くんだって
わかる気がした

猫を抱いて
庭先で蚊取り線香を焚く
とても静かな夜

長い間忘れていたその匂いを
思い出そうとしたら

あざやかな夏の夜の色が
次々と脳裏に浮かび上がった

花火のように


自由詩 花火 Copyright ガト 2017-07-26 02:12:19
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