女のすてきなあばら骨
田中修子
いつか完成するだろうか
あばらの中のいくつかの空洞は
満たされて、微笑んで眠るだろうか
脂肪に埋もれる柔和な女になれるだろうか
昔は違ったのよ
と笑って言うことができるだろうか
抱かれるのではなく、抱くことはできるだろうか
不幸を埋めるのではなく、幸福さえ産むことはできるだろうか
自分の脂肪を愛して、安らかに眠ることはできるだろうか
あばら
けっして完成されることのないわたし
少女にも男にも憧れてならぬから
せめて乳房を削ぎ取ってしまいましょう
陥没し
もりあがるのを
さらさらとなぞる
おそらくは
受け容れて生きていくように決めていた
わたしははじめから爛れ落ち、自らに火を放ち
青白く燃えてかがやいているあばら骨