命の秘密
レタス

私は私以外の者ではない

遡ってみれば
三千億の夜と昼を過ごして来た
生と死は読点のようなものであって
輪廻の鎖を引きずっている

いま
この鎖は解かれ
光と螺旋の秘密は
蒼穹を駆け抜け
金と銀の龍となった

目の前の光は
あまりにも青く輝き
私の五体を焼いていた
その至福の中で
私は瞑想を重ね
秘密という坩堝に溶ける
青い光をこの眼に焼き付け
明日を予測した

真夏の蓮の台に
一粒の水滴になった私は
青い空に吸い込まれ
これから無量大数の時を抱え
静かにまなこを落とす





自由詩 命の秘密 Copyright レタス 2017-07-19 15:14:24
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