もっと光を
星丘涙

満ち満ちた海を見渡していた
水平線が弧を描き
白い波しぶきが
ざわめいていた
空も海もひとつになり
心に青く染み込んでいった
魂に海がすみつき
空もすみついた
私を夏の色にそめ
心は輝いていた
私の心から
輝きが失われたのは
何時からだろう
歳を重ね
いやと言うほど苦労を味わい
だんだん
私の心は色あせ
陰鬱になった
せめて
あの海と空を見て
もういちど
夏のひざしを
浴びることができたら
輝きを取り戻せるような気がする
あかるい心を
取り戻せるような気がする
ただ
光りが欲しい


自由詩 もっと光を Copyright 星丘涙 2017-06-13 19:07:29
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