君の誕生日
Lucy
心配していることなんてきっと
うんざりするほど感じているだろうから
心配してますアピールなんてしない
幸せを願っていることなんて
どうせ痛いほど感じているだろうから
言わないでおく
心配かけたくないって君がどれだけ思っているか
誰よりも私がわかっているから
壊れやすい薄い皮膜に包まれて
人として初めて外気に触れる君を
おそるおそる
けれど必死で抱っこして
私は母として初めて青い空を見上げた
五月にしては風の冷たい夕暮れに
真夏のように暑かった
二十数年前の退院の日を思い出しながら
お誕生日おめでとう