横顔
1486 106

手と手が触れ合う少し前に
ためらう私の手を引き寄せる
普段は鈍感な貴方のことを
好きになってしまったのは
きっとそんな些細な理由

定位置なんて無いけれど
左から見た貴方の顔が好き
目と目で見詰め合えなくてもいい
貴方のその瞳が見つめている
未来まで連れて行ってほしい


行き先を聞いたことはない
それでも不安になったりしない
貴方の横顔を見ていれば分かる
目指しているのは素敵な場所
私はただ付いて行くだけ

定位置なんて無いけれど
左から見た貴方の顔が好き
時々すれ違っても構わない
冷たい言葉で傷付けられても
嫌いになれないと分かったから


私が急に立ち止まったら
貴方は気付いてくれるのかしら
もしも置き去りにされてしまっても
きっと許してしまうだろうから
繋いだ手は離さずにいてね

定位置なんて無いけれど
後ろじゃなくて隣がいい
確かな約束は無くてもいい
貴方が歩けなくなるその時まで
付いて行こうと決めたから


自由詩 横顔 Copyright 1486 106 2017-04-28 22:33:28
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