ring-Oの森
六崎杏介

(森では)
ハ短蝶の二指が劣等な塵に沈むワーゲンで踊る
破綻した星座を弔うシガレット。

(森では)
五指のヘ短蝶が春の終わりに激しくワーゲンを叩く
ゴシック聖歌は沼の辺端で炎上した。

(夜には)
イ短蝶の一指がワーゲンの天辺で眠っている
異端の天使の一矢が射抜く小熊座。

(森では)
三指のロ短蝶が哲学者をワーゲンに誘った
ロダンの賛辞が東から照らした。

(大昔に)
ト短蝶の四指が沈黙するワーゲンを慰撫した
途端、獅子の咆哮が森を一巡した。



自由詩 ring-Oの森 Copyright 六崎杏介 2005-03-08 15:46:54
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