かいじゅうのなみだとあいだ
にしなますみ

公営住宅の三階の角から二番目の部屋
のいつかぴかぴかだった扉
おんなのこは台所で目玉焼き
格子の向こう側に空を見て
歌詞の意味なんてわからない
あいらびゅうの鼻歌
らびゅう
を繰り返す薬指に絆創膏
すりきずきりきずきりぎりす
いつのことだったのかころころころとなるこころ
隣の部屋の隅のどならすねこのこ
ないているないている
歌詞の意味なんてわからない
らびゅうあいらびゅう
テレビはつけっぱなしでいっている
みえないのに


自由詩 かいじゅうのなみだとあいだ Copyright にしなますみ 2017-03-10 20:48:54
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