はちみつ同士
竜門勇気

普通の暮らしが
目の前の世界を作ってる
忘れそうなことだけを
建築するモグラの生活

僕ときみは
はちみつ同士さ
五月雨を待ってる時
口に出してみる
これが最後の雪の降る世界
空を見上げる茶話に夢中になる

苦しい何かは
いつも
自分で持ってる鞄なんだ
そこからとりだして
戸惑い続ける


普通の暮らしは
会釈して天井のネジを締める
普通の暮らしの振る指は
憂鬱と絶望を
崩れそうなレンガに変える魔法だ
全ては崩れそうなレンガだ

僕もきみも
はちみつ同士だ
泥をはねながら居酒屋に入る影なんだ
責めながら壊れてく
赤いレンガなんだ

そいつで
ぶっ壊れるまで
お互い殴り合う
甘くて寒い
はちみつ同士
はちみつの虫
普通の暮らしに振る指輪


自由詩 はちみつ同士 Copyright 竜門勇気 2017-02-28 00:07:15
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