鰯よ
星丘涙

鰯よ おぬしを 食うてやろう

頭から むしゃ むしゃ むしゃ と  食うてやろう

大海原で 餌を求めて 泳ぎ回った おぬしを

むしゃ むしゃ むしゃ と 食うてやろう

人間様に 生け捕られ 天日で干され 

干乾びた その躰ごと 食うてやろう

おぬしは あの海原で 何を見て 何を思った

大魚の口を 逃れ逃れて 生き延びて

最期は わしの口の中 むしゃぼり尽くされる

慈悲も憐みもなく 

むしゃ むしゃ むしゃ と 食うてやろう

鰯よ おぬしは 何を見て 何を思った

鰯よ



自由詩 鰯よ Copyright 星丘涙 2017-02-10 18:54:54
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