おとなしい人
黒髪

口をすぼめる
とても内気でおとなしいあなた
優しい人だ
誰のことも悪く言わない
辛さを耐え
コアラのような思い
お母さんの温かいおなか
地球を抱擁するような人
苛烈な意見を聞いているのに
本当におとなしい人
自分のために花を摘んでくれる人を
待っているの
その気持ちをそのままに
嘘で騙されず
本当を見つけ
自由な自分であれ

僕は感じた
天国と地獄を神為す
絶望が愛を炎にする
過剰な力
愛の過剰は身を滅ぼすかもしれない
もう戻れないし戻りたくない
来た道が残されているのだ
それを見て僕は少し心強い
過剰な愛の炎
取り扱い方のわからない
全ての現実にあるもの知るもの
主観は全てを確定することはできないのだ
だから時間が困る
ライトモチーフが一人の中に起きて行動を律する
それでいいのかどうかわからない

口惜しさと不快感の表現
忍ばせられた針
服薬でごまかすくらいでやってきた
バイバイ
ドリーム
一時だけはさようなら
また会えるならそのとき

善と悪の戦いは泥沼になった
戦争の遺産を探し求め
後ろめたく付きまとう利欲
高貴さと誇り高さのある純粋な生き方や
大義のための戦いは現実を粉飾していないか
機能不全はとても苦しい
全てが救われるべき
愛は消え炎が消え
闇を見通す目があれば
幕を引くことは偽善者の安心

カエルのように目を大きく見つめている
空と地上につながった意識
手をつないで飛ぼう
難しいことを考えているわけじゃない
斉同の道には水が満ち溢れる
できれば難しいことが優しくなるようにあってほしい
厳しさも尊敬される
哀しさが報われる
喜びがあふれる
幸福が氷を解かす
わだかまりは消えることが出来る
立たない僕は心に聞く

対立する疑いを軽くして空へ放とう
あなたの存在が全てであると
僕はひざまずいて乞うている
追想の全ては変わっていくものだ
絶頂と奈落のコントラストを感情に変えるのだ
どうしても知りたい
無になったものがずっとそうであるか
奇跡を翼に乗せて悠々と飛行するものも
今も放たれた矢のように
全てが進まないかのように見える

山の頂上で吹き付ける雪
終わりを告げる季節の中での
雪だるまのおもかげ
夢は血液で温められている
死のイメージと感触は無駄とはいえない
若くして完全な世界を与えられ
揺らいだ自我がもう一度固まるときに
手をかざせば長らく死んでいた心が
世の暗黒のすみずみまで完全に写し取って
捨てるかのようだ
崩れないような意志と
頑固である男性
柔軟である女性

おとなしい人よいつもの朝を
無限に広がる自由を
遠くにあって思うだけ思え
あなたのような雲の気分
柔らかな希望を胸に吸い込んで
どんなに熱いハートを持っているの
僕は想像するけれど
正しいなんて形の気持ちを望んでは失敗した
自分から人へ信念でなく勇気を

僕が生きている愛の咲く世界
繰り返し思う未来に美しいものが待っている
正しい手続きを経て部屋の外の声を聞き
心の影に光を当てて
おとなしい人が持つ心を素晴らしいと思う


自由詩 おとなしい人 Copyright 黒髪 2017-01-31 17:54:43
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