毒にも薬にもなる 積み上げていくもの
水菜

食物には、皮や種子により豊富に栄養が含まれているものと、強い毒性が含まれているものとがあります。

たとえば、良い例で言えば、(ピーマンの種子やワタには栄養が豊富であったり、人参や大根の皮には食物繊維などの栄養が豊富だったり、玉ねぎの皮にはポリフェノールが豊富であったり、栄養豊富なキャベツや白菜などの芯であったり、コラーゲンなどの栄養素が豊富な鳥の皮など)ここに挙げればきりがないほどですが、、(最近の研究では、栄養素によっては朝方とった方が吸収が良いものや、食事の順番で吸収が変わるもの、栄養素の組み合わせで吸収が変化するものなど色々わかってきてますよね)

それでは、悪い例、……栄養ではなく、毒となる場合の摂取で、やはり有名なのは、じゃがいもの皮や、芽などではないでしょうか……?
じゃがいもの皮や芽には、ポテトグリコアルカロイドという天然毒素。毒性が含まれています。これは、より多くは芽に含まれているソラニンやチャコニンと呼ばれる、大量に摂取したら、腹痛、下痢、めまい、(実際にはエグいので死に至るほど大量には取れずに日本では中毒はあまり聞かないけれども)最悪の場合、死に至る中毒です。尚、じゃがいもが大量に太陽に当たりすぎると緑色になりますが、緑色になったじゃがいや、小さいじゃがいもにもソラニンが多く含まれている為、勿体無くとも、捨てるべきです。(※こちらに種イモとしての活用方法を書かなかったのは、ウィルス病のことがあるからです。食用として育てられているものは、完全にアブラムシの寄生を防ぐことが出来ない為、国が管理してつくる検定イモを種芋として出されているので、そういった面からここには捨てるべきと記載しました。ウィルス病に汚染されている場合、生育がとても悪くなったり、発育しなかったり、そういった可能性が出てくる場合があります。因みに、種イモの植え付け時期は、春植え(3月~5月初めほど 春植えの種イモは北海道産が良いらしいです)(6月収穫)秋植え(8月中旬~10月)(11月~12月収穫)です)家庭菜園ならプランターや袋で栽培することが可能です。

食材の中にはそのようなものが数多く含まれます。じゃがいもを例に取りましたが、他にも例をあげましょう。

パセリは、香り付けや、匂い消しなど、香りが素敵な、油分を中和する働きを持つ精油成分を多く含むハーブですが、(私もよく使います)アピオールという堕胎効果を多く含む為中世では堕胎薬の原料でした。大量に摂取しすぎるのは、やはり良くないのです。

他には、難しいものとしては、百合根にはアルカロイド系の毒性が含まれていないものと含まれているもので分かれており、食用で流通している百合根を使うのは、アルカロイド系の毒性を含まないもので食用にしやすいものであったりします。自分で百合根を採取するのは慣れた方以外はやめたほうが良いですよね。

たとえば、ナスなども、身以外は、全て毒性を含むと言われているので、葉や茎などは、食べてはいけないですし、

毒性ですぐ思い浮かべるものでキノコが代表格であるのではないでしょうか、テングダケなどは強い毒性で有名です

身なら熟す前のウメ(未熟果実には、アミグダリンという青酸配糖体が含まれ、酵素や人の消化管内で分解されて青酸を生じ中毒をおこす場合があります。 摂取すると嘔吐、腹痛、下痢などの症状が見れ、胚の部分を多量に摂取すれば呼吸困難や心臓麻痺を起こします)

他にも食べてはいけない花として、ツツジ属(個々の種の有毒物質含量は大きく異なり、報告によると牛では体重の1%の摂取で死にいたり、実際に牧草に混じったツツジを食した牛が死亡しています)や、チューリップ属(毒性は至って強く、摂取すると嘔吐や心臓毒などの症状が現れ、樹液に触れると皮膚炎を起こします)、スイセン属(アルカロイド系のリコリン、タゼチンなどの毒成分が含まれ、摂取すると嘔吐、胃腸炎、下痢、呼吸不全、頭痛、中枢神経痙攣などの症状が現れます。 また、樹液に触れると皮膚炎にもなります)、スズラン(強心配糖体というコンバラトキシンという毒成分を含み、例えば花瓶に挿した場合その水も有毒となります)、スイートピー(毒性アミノ酸を含み、摂取すると頚椎麻痺などの症状が現れます)シダ類(摂取すると食欲低下、発育不良、代謝機能の低下で死に至る場合もあります)、ヒガンバナ(茎部分にリコリンというアルカロイド有毒成分を含み摂取すると下痢や吐き気、中枢神経を麻痺させ死に至る場合もあります)、クリスマスローズ(配糖体ヘレボリンを含み、摂取すると皮膚炎、水疱、嘔吐、眩暈、不整脈、心臓麻痺などの症状を表します)、パンジー(種子や根茎を摂取すると嘔吐、神経麻痺などの症状が現れます)、アジサイ属などは、(特にアジサイには青酸中毒を起す強い毒成分を含みます。間違って摂取すると呼吸促迫,興奮,あえぎ,ふらつき歩行,痙攣,麻痺などを経て,重症な場合は死に至らしめるといわれています)毒性が強いです、

変わったところでは、シクラメンは、サポニン配糖体を含み、摂取すると嘔吐や胃腸の粘膜のただれを引き起こす毒性を持っていますが、大航海時代でじゃがいもが主食となるまで、西洋では、「アルプスのスミレ」などの美称があり、シクラメンを食用としていたようです。根茎は下剤として利用されているようです。アサガオにも下剤作用は含まれています。ヒルガオの場合は全草に毒を含み、腹痛や下痢になります。

魚、果物、香辛料や、塩などの調味料も、含めたら、食事をするという行為、食品を身体の中に入れるという行為自体、太古から続く今までの人が向き合ってきた、毒と効用との戦いだったのではないかと思います。(敢えて、虫や動物は避けて書きませんでした)

食への飽くなき探究心が、薬効や、毒を見つけるきっかけとなっていったのだと思います。

今でも、品種改良や、新たな誰も知らない果物などを追い求める方々が、多くいらっしゃると、テレビのドキュメンタリーで見たことがあります。アフリカなどの熱帯、亜熱帯での果物など、まだまだ市場では出回っていない見たこともないような色や味、風味のものが存在しているのだろうと想像します。

徳川光圀は、儒学を奨励し、彰考館を設けて『大日本史』を編纂し、水戸学の基礎をつくった庶民に大変慕われて、愛された方ですが、(権中納言だった江戸時代の水戸藩主・徳川光圀の別名称『水戸黄門』として殆どフィクションと言われる『水戸黄門漫遊記』という創作物語まで作られた)大変好奇心の強い方だったそうで、日本人で初めて、チーズやラーメン、餃子を食べた方らしいですが、現代にいらっしゃれば、好奇心のまま食の探求をされたのでしょうか、

元々、日本人は、島国な為、海のむこうからくるものに対して、強い好奇心と憧れを潜在的に持っていたと言われていますが、(海のむこうから漂流してきたもの(珍しい形の流木など)を神として祀ったものが恵比寿のはじまりという説があります)日本は、八百万の神が住まう島国ですものね。

歴史は、とても深く面白く大事なもの。絶え間なく続いていくという歴史の人のつながりの中にまた、いたらなくてへなちょこな自分も含まれているのだなあと思うと、ちょっぴり面白い気もします。

毒にも薬にもなることを知っていることは、既に無駄ではないということなのだと思います。全てのつながりのなかに意味があるのだと思います。

その意味は、無駄だと思えば、意味がないと思えば、あっという間に霧散して消えてしまう儚い思想なのかもしれませんが、儚くとも、無駄だと思ってなにかを行うよりは、意味があると思いながらなにかを積み上げていく方が私は気持ちが良いし、そういった姿勢でありたいと願います。




自由詩 毒にも薬にもなる 積み上げていくもの Copyright 水菜 2017-01-18 22:29:25
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