寒中
レタス

かさり かさり
 と

クヌギの林を彷徨えば
拙い過去を思い出し
涙腺開いて
幼い心が閉じてゆく

北風に
こしかた巡らせ
今は亡き人の
想う方々
まなこに浮かぶ

ほとり ほとり
 と

でこぼこの砂利道歩んで
黒いコートの襟を立て
太陽に向かって
悔し涙に明け暮れる

大寒を
胸に受けつつ
守る人
僕は必ず
約束をする

ひたひた ひたひた
 と

進軍続ける冬将軍
自転車こいで
真澄の風うけて
明日の希望を夢見る

紅色の
山茶花眺め
冬を知り
遠い富岳に
視線を移す





自由詩 寒中 Copyright レタス 2017-01-17 23:59:40
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