ドンテンスパイル
次代作吾

低空めけめけ飛行
上空はドンテンナリ

目下
繊細とは
人間の醜悪を
直視できない人である
と書かれた紙を背中に貼って
歩いているのは
ダンサーでもなく
占い師でもなく
小説家でも
批評家でも
ましてや詩人でもなく
店長でもない
戸部守である
眠りに落ちる瞬間を
捕まえてやろうと
歩きまわる
夢を見ながら
ウィスキーの氷は
なんの疑問も
煩悶もなく
シルクパトカーの後部座席
溶けるままに
愛のままに
スパイルしている
昨日まであったものが
露にぬれてしまって
もうなにひとつ
役に立たない


自由詩 ドンテンスパイル Copyright 次代作吾 2017-01-15 00:28:27
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