トンネルを抜けると天国だった
星丘涙

暗いトンネルを歩いている
はるか彼方に光が見える
這いつくばって前に進む
出口に向かい肘をつけ膝を擦りむき前に進む

何時トンネルに入り込んだのか分からない
気が付いたら真っ暗な世界を歩んでいた

不安に押しつぶされそうになるたび
前方に見える光に慰められ
這いつくばって前に進んだ

辛くて 悲しくて 混乱する時も
貴方が教えてくれたおとぎ話のような物語を信じ
前方に見える世界を目指して進んだ

疑いの陰に押し潰されるたびに
誰かが私を抱きかかえて前に進む
私は独りきりではなかった
誰かが私を助けトンネルの出口に導いている

闇が深くなり
前方に見える光が消失した瞬間
私は私と共に歩んでいた人の前に立っていた
そこには一片の暗い影すら見当たらず
光輝く世界が広がっていた

トンネルを抜けると
痛みも 悲しみも 
疑いも 争いもない
天国だった




自由詩 トンネルを抜けると天国だった Copyright 星丘涙 2017-01-10 22:41:52
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