車窓
日々野いずる

僕はワンカップを片手に
車窓に体寄せていた

電車の外は雨らしく
ぱたぱたと打ち付ける雫が
声なき声の模様を描き僕を飾る

ざわめきの静寂に叫びを埋めて
引きずる体の亀裂を紐で縛って
進退惑う旅路の果て
惑う目線の行き先が
写り込む自分の姿に定まり

その虚ろ

虚ろが見返している


自由詩 車窓 Copyright 日々野いずる 2017-01-09 09:22:30
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