お年玉
ホカチャン

子どもの頃は
お正月が待ち遠しかった
「もういくつ寝るとお正月」と指折り数えた
ご馳走は食べられるし
テレビはゆっくりみれるし
中でも最大の楽しみがお年玉だった
ふだん現金というものと縁がなかった僕にとっては
年に一度の現金大獲得のチャンスだった
あるお正月、伯父さん夫婦が県外から来た
いつものようにお年玉を期待して礼儀正しくしていたが
いっこうにお年玉をくれない
一日目
伯父さん夫婦のそばをずっと離れないでいたが
お年玉をくれない
二日目
まだくれない
そのそぶりも見せない
一日中お年玉が頭から離れなかった
三日目
とうとう伯父さん夫婦が帰る日になった
それでもくれない
いよいよ見送る時になったが
それでもくれない
僕はもう半分泣き顔になっていた
そして思い切り母に尋ねた
「なんでお年玉をくれないのか」と
すると、母がすぐに伯父さんに話して
やっともらうことができた
忘れていたらしい
だから僕は
お年玉は
会ったらすぐに渡すことにしている


自由詩 お年玉 Copyright ホカチャン 2017-01-01 13:21:33
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